
7日(金)
新大阪駅前発の「さわやか信州号」は「穂高」駅前に4時45分に到着した。中房温泉行きのバスに乗り換え(5:00発)約1時間、燕岳の登山口に着く。すでに多くの登山者が朝ごはんを食べたり、ストレッチをしたりしていた。私たちも登山届けを出して準備、6時45分登山口を出発した。
今回は初めて北アルプスに登るメンバーもいて、期待と少々の不安とで幾分緊張している。一番の心配はやはりお天気、今年は梅雨明けが遅くて夏がなかなかやってこなかった。でも、3日ほど前に梅雨は明けたし、台風は西の方に行ってしまったようなので多分晴れるだろうと思っていた。
ここは人気のある山で、初心者にも登りやすく、30分毎に休憩できるように「ベンチ」がある。第1、第2、第3、そして富士見ベンチ、その後はまた30分で合戦小屋に着く。私たちもしっかり「ベンチ」で休憩しながら合戦小屋で待望のスイカにありついた。しかしその頃から雨が降り出し、雨具を来て歩く。尾根に出たら見えるはずの山もガスの中。
11:30、燕山荘に到着。まずテントを張る。そうしている内に雨が激しくなってきた。今夜のおかずは「塩サバ」なので、テントの中では焼けない。外で焼こうと思っていたのに・・・。しかたなく明日の献立と一部変更する。雨はなかなか止まない。初めてのアルプス、初めてのテント泊がこれでは・・・と申し訳なく思っていたら、雨の音が聞こえない。外へ出てみると、槍が見えている。あわててみんなを呼んでテントの外へ出た。外はまもなく夕暮れになろうとする時間で雲が赤く染まっている。今までまったく見えなかった大きな北アルプスの山並みが美しく輝いている。「よかった!」この素晴らしい風景を見せてあげたかったんだ。日没までにはまだ時間がある。燕岳まで行っても十分帰ってこられるだろう。急いで準備をして燕岳を目指した。
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燕岳は美しい山である。花崗岩の白とハイ松の緑が何ともいえない調和をかもし出している。途中から振り返ると「イルカ岩」というかわいい岩がある。おまけに虹も出てきた。富士山も見える。「きてよかった!」槍ケ岳を見るとみんなが指さして「あーっ、槍だ!」と叫ぶ。そんな北アルプスの醍醐味を味わうことができてほんとによかった。
8日(土)
予定では常念岳まで縦走することになっていた。しかし、天気が思わしくない。それでテントは張ったまま大天井岳までピストンすることにした。もし途中で雨がひどくなれば引き返す事にして6:00出発。晴れてはいないが北アルプスの稜線歩きを十分楽しめる天気であった。カッパも必要なかった。
燕山荘を出てすぐに「コマクサ」すでに咲き終わった感もするがほんとにかわいい。それからは「花見山行」で新しい花を見つけては立ち止まる。花に詳しい人がいて「これなに?」「モミジカラマツ」「もう忘れた」とにぎやかである。稜線を南に回り込んだ登山道の両側にとりわけ花が多い。「ハクサンフウロ」「トリカブト」「オタカラコウ」「ゴゼンタチバナ」「チングルマ」「ハクサンチドリ」などたくさん。
9:30大天井岳、ゆっくり休んで引き返す。常念岳まで縦走しても大天井岳に登る予定ではなかったので、それより高い2922mに登れてよかったことにしよう。今日は周囲の山々は雲の中、槍もなかなか姿を見せてくれない。ときおり雲がさーっと切れて歩いてきた道が見える。大天井の下りから見る表銀座縦走路の美しいこと。東側は白いガスでおおわれ、西は風のため緑のハイ松の中を道が続いているのがよく見える。
12:30到着、雨にあわずよかった。少し休んで昨日行けなかったメンバーで燕岳を往復する。今夜の夕食は塩サバと五目寿司、その前に燕山荘のテラスで生ビール!最高! 夜は小屋組も加わって花の話と山の話が続きました。
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