ハイキング部への新入会員さんのお勧めの企画だ。皆楽しみにこの日を迎えていた。が、天気予報では、雨、雷と言い、不安になる。
しかし、毘沙門天で休憩後登り始めていると、太陽がさし始めて、徐々に夕焼け空が広がる。そして、雨後のさわやかな風が心地よい。ヘッドランプを点灯させての夜行登山だ。
大文字山で夕食、さわやかな風が汗のかいていた肌を冷やし、寒いほど。19時前に大文字の金ワあたりに移動。なんと、銀閣寺の表参道から大勢の人たちが登ってきて、点火の瞬間を待っている。
「ここにいると今日は風向きがここら辺に向かっているので、先によけていたほうが良いですよ。」と 見物のベテランの方のアドバイス。大文字の2画目の先まで避難する。

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いよいよ、点火に入る。
「静かにしてくださーい」
「ライトをつけるのは止めてくださーい」
大文字保存会の人たちの声に緊張が走る。そうなんだ。これは、観光事業でなく、宗教行事なのだ。空気にも緊張が漂う。
点火!75基の火床の炎が天に向かって空に登っていく。それから、10分ほど後、妙法の文字、さらに船、左大文字、鳥居の順に空に浮き上がるようだ。このような、経験は初めて。感動に震えながら、30分ほどで、鎮火したのを見届け、下山を始める。
本当に、京都の夏の終わりは、荘厳だ。
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